The End of Books - 『The New Media Reader』を読む

The End of Books

著者

Robert Coover

初出

The New York Times Book Review 11, 23-25. 21 June 1992.

< >

概要

書籍の終わりとはなにか？考えうる結末は、挑発、さまざまな視点のコミュニケーション、言語と物語による考えの心地よい再配置だ。これはRobert Cooverが彼のポストモダンフィクションに向けて取り組んだものだ。

Cooverがハイパーテキストライティングワークショップで教える過程で気付いたことは、学生がこのフォームでコンピューターに書くことができるようにしたことが、実際に本の終わりを促進したということである。

「【執筆を行う学生】に代替的、または革新的なフォームを試してもらうことは、ライフスタイルとして禁欲するように言いくるめることよりも難しい」とCooverは書いている。

珍しいハイパーテキストを書く機会と多読家の保守的な学生との衝突によって生み出されるのは、高品質で豊富な文学作品だということにCooverは気づいた。

学生はコラボレーションアーティストと同じようにプログラマーを利用することはできなかったため、彼らにとってブラウン大学のロバストで作文用に十分にサポートされたシステムは重要だった。また彼らは、Cooverのクラスで提供される環境内で、直接会ってグループでプロジェクトに取り組み、オンラインライティングを介して交流していて、Webが開発される前にハイパーテキストシステムでの執筆業で協力する能力を備えていた。

J. Yellowlees Douglasは、このエッセイにちなんで名付けられた、ポスト「The End of Books」的な本で、これを「おそらく、他のどの記事よりも多くの批評家を怒らせ、より多くの読者にハイパーテキストフィクションを認識させた記事」と呼んでいる。

Cooverは、学生に革新的なフィクションの執筆を促すだけでなく、批評家に電子文学のアイデアをボロクソに書くように仕向けた。これらの批判的な炎上により、ヒューマニストたちが加熱されたが、啓蒙されることはほとんどなかった。

このエッセイが1992年にNew York Times Book Reviewに掲載されて以来、Cooverは文学におけるハイパーテキストの黄金時代が終わり、この極めてテキスト的な、フォームの革新の時代がウェブの世界に道を譲ったと主張している。（ "The End of Books"に悩まされなかった多くの人がこの最近の主張を嘆いたが、クーバー自身は少なくとも楽しいシルバーエイジを予見し、読書が私たちのコンピューター化された体験においても存在し続けることを願っていた）。

コンピューターを使用して生徒に文学的な創造性を刺激する次の方法は、リンクとノードからなるハイパーテキストよりも新しい何かを含むのかもしれない。

補足

1990年ごろは大学の執筆を行う学生がハイパーテキストを作成することは革新的だったが、コンピューターを創造的なプラットフォームとして提供するというアイデアは、多くの場合若い学生を念頭に置いて、Alan Kay、Seymour Papert、Theodor H. Nelsonなどによって推進されてきた。

建設的なハイパーテキストシステムは、ハイパーテキストフィクションの代表的存在(Michael Joyce)によって提唱された。Cooverのエッセイで説明されているように、Michael JoyceはAfternoon, a storyを書いた。

最初に出版された共同ハイパーテキストはCarolyn GuyerとMartha Petry（Cooverがここで言及している）による "Izme Pass"である。

Cooverはすでに、2002年春に作家がブラウン大学のCAVE（Myron Kruegerのエッセイで詳しく説明されている）で表示するテキストを作成することにより、異なる方向または異なる次元に向かって電子ライティングを行っている。これらの努力は、テキストがほとんど存在し得なかった共有バーチャル環境に、作家の懸念と視点をもたらす。空間でのテキストの3D表示は、Muriel Cooperの指揮の下、MITのVisible Language Workshopでさまざまなタイプのシステムによって先に検討されていた。